尾澤瑞樹ピアノ教室

町田市玉川学園のピアノ教室です。ホームページはhttp://ozawamizuki.web.fc2.com/

対位法をピアノで奏でるとき

音楽学校に進学した人ならば、対位法という授業を受けたことがある人が大半だと思います。
「対位法」についてウィキペディアでは


対位法(たいいほう)とは、複数の旋律を、それぞれの独立性を保ちつつ互いに調和させて重ね合わせる技法、ないし音楽理論である。


と書かれています。
うーん、その通りなのですがピンとこない。要するに、複数の旋律(=メロディ)を重ね合わせて調和させることなのだけど、これをピアノで演奏するときはどんなことを注意したらよいのか。それが感覚的に身につくようにするためには何が大切なのか。

私を含め、ピアノを学ぶ多くの人は「旋律を奏でる」ことに不慣れです。
こう書くと、『いやいやほとんどの曲で弾いてんじゃん!』と突っ込まれそうですが、ピアノで奏でると、おおよそ和声やら別の旋律を同時に奏でているわけです。
複数の音を同時に奏でられることは、ピアノという楽器がほかの楽器と異なる面白いポイントですが、それ故に私たちは旋律だけを美しく奏でることと、ほかの要素を伴ってコントロールすることが同じになってしまいがちです。

当然、メロディにはハーモニーが潜んでいて、別のメロディとの絡み合いも意識して弾くものです。だからほかの要素を伴ってコントロールすることは重要です。
しかし旋律そのものを抜き取った時にも、そこにメッセージが現れるほどに美しく奏でられる必要があります。
ほかの楽器の場合、ピアノほど音を重ね合わせられませんから、もっともっとその一つのラインに丁寧な表現をのせようとするわけです。

冒頭にも書きましたが、対位法は複数の旋律の重なり合いです。それぞれの旋律を美しく奏でつつ、お互いのバランスを聞き取ります。
ということは、一つの声部だけで弾いて美しい表現を感じ取ること(自分の中から発する感覚)ができるようになっていたい。
(対位法の曲のレッスンでは、必ず一声ずつひも解きましょう)

でも、ひとつ私たち日本人が注意しなければならないことがあると思います。
それは主に【音の高さの変化を感じるとき】に重要なことかもしれません。
言語感覚って、音楽を奏でるときに相当に影響があるもので、私たち日本人の言語は『音の高低』が重要になります。
そのため、音が上がるとか下がるということが、他のいろいろな音楽的要素(和声感やリズム感、様式感など)を、どうやら犠牲にしてしまうときがあるようです。
加えて、学校で歌う曲の大半は、日本語にメロディをつけているので、日本語的な旋律の動きが染みついています。

ですから、歌うことや、たくさんの曲を聴くということはとても大切ですね。自分が演奏する曲を歌ってみたり、ピアノ以外の曲もたくさん聴いていること、これが少しずつ自分の中に「美しい旋律」の感覚を養う、もっとも着実な方法だと思います。
そして対位法を理解していくのだと。


...などと書き連ねてみたものの、私は学生時代の対位法の成績がとっても悪かったです。ぅぅぅ


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  1. 2018/02/04(日) 09:22:50|
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2クラスのソルフェージュ

昨日はソルフェージュのクラスレッスンを2クラス連続で。
普段のソルフェージュは、新曲視唱と聴音をメインに進めますが、昨日は2クラスとも少し内容を変えてレッスンしてみました。

まず昨年はじめた初級クラス。小2~小4の3人です。
伴奏付きの視唱課題を丁寧に歌ってウォーミングアップ。。。のつもりが30分かかりました。
旋律を歌うということに、いろんなヒントが隠れています。
その旋律からどんなイメージが浮かぶか尋ねると3人からどんどん出てきます。
もしかしたら一対一のレッスンではここまでたくさんのイメージを描けなかったかもしれません。
そこに伴奏の和声を聞いて、フレーズを考えてブレスを考えて。

歌で刺激された感覚を、今度はメロディの作曲へ。
イメージを持たせるためにまずは言葉を考えてみます。
お題に対して連想する言葉をあげて、短い文章を考えるだけ。
この言葉の連想もなかなかおもしろい。
「夜」から連想させてみたら、星座や月などが出てくるとともに、太陽と。
ほぅ、太陽の隠れた夜から太陽を連想するとはなかなか面白いものです。
あとは音の流れやイメージを崩さないように音符を並べてもらえば作曲終了。

続いて中学生のクラス。今は二人だけでのレッスンです。
もう長く通ってくれている二人で、二人ともよくピアノも弾くし、歌もうまい。
今日は残念ながら1人風邪気味で声が枯れていたので、ピアノを使って歌を表現することにしてみました。
使ったのはバロック時代のアリア。
ドイツ語の歌詞もついているので、日本語とは異なる言葉の響きでどこに音楽的なストレスがかかるかを考えてみました。

そして、残りの時間はフーガの分析。
分析といっても、ものすごい難しいことでもなく、テーマにどんな特徴があるか、その特徴が曲の中でどう使われているか、モティーフとモティーフの関係がどう動いているかを分析するくらいのことです。
最後はパート毎に分担して2台のピアノで合わせてみました。
ピアノのレッスンの時もできるだけアナリーゼをするようにしていますが、ここまでじっくりとはなかなかいかないもの。
さらに私を含めて3人でそれぞれのパートを別の楽器で弾くというのは、三声のアンサンブルを聞き取るのにとても有効でした。

積極的に音楽に触れてくれる生徒さんたち。楽しいレッスンでした。


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  1. 2018/01/30(火) 07:31:57|
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音楽という言葉

自分がピアノを弾いているとき、その楽曲に描かれている「なにか」を想像しています。
その作曲家の描こうとしたものは何か、そこに少しでも近付こうと、様々なことを想像し、また自分自身の体験も絡みながら音符を紡ぎ、表現へとつなげていきます。

それは言葉を使って話すことと似ているかもしれません。

話をするとき、それぞれの背景から話を進める視点が異なることはよくあることです。
レッスンをしていると、その違いを音楽から感じることが多くあります。
例えば、木々のざわめきや川のせせらぎのような自然を連想させるような発想であったり、
自分自身の体験から得た感情であったり、そのときにひらめいたことであったり。
描こう(伝えよう)とする音符は同じでも、演奏する人それぞれに違う視点から音楽を表現していきます。

レッスンでは、生徒さんの演奏をできるだけ丁寧に感じ取って、別の視点を含めた音楽の可能性を刺激したいところ。しかし現実はなかなかうまくいかないものです。上手な言葉を選べなかったり、伝えるためのいくつかの段階を考えても違う方向へ進んでしまったり、必ずしも一度のレッスンが実を結ぶとも限りません。
そして奏でるための「手法」も必要になります。音楽を解釈する「分析」も必要です。

演奏することも教えることも難しいですが、生徒さんも私も一歩ずつ、一緒に感じながら進むレッスンをこれからも心がけます。


尾澤瑞樹ピアノ教室
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  1. 2018/01/29(月) 11:58:39|
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ハノン やるかやらぬか・・・

ドミファソラソファミレファソラシラソファ.....

ハノンと言えば、1番のこれが思い浮かびます。ここから38曲ひたすらに似たような音列が続きます。
楽譜を見ると『○番~○番を続けて4回弾きましょう』などと書かれていますが、私は実践したことがありません。

全音のハノンの最初に、ハノン氏のコメントとして目標が書かれています。
1.指を動きやすくすること
2.指をそれぞれ独立させること
3.指の力をつけること
4.つぶをそろえること
5.手首を柔らかくすること
6.よい演奏に必要な特別な練習を全部入れること
7.左手が右手と同じように自由になること

細かいことを言えば「でも...」と突っ込めるかもしれませんが、おおよそこういうことはピアノを弾く上で必要かとも思いますね。

ただ、わたし、子供の頃からどうも好きになれないのです、ハノンさんの練習。
理由があるようでないような嫌い。まぁ敢えていうならば、この機械的な『運動』を繰り返すことに退屈さを覚えると共に、なにせ38曲全てがハ長調ということでしょうか。

陸上選手だって、走る以外のトレーニングをしますし、水泳選手だって陸上でのトレーニングをします。
だから、楽曲を演奏する以外の、いわゆる単純化された練習が不要だとは言いません。
ただ、指の力加減だとか動きだとか、これはやはりその時に求めるニュアンスを伴ってこそ『実用的な』技術ではないかと。
そういう意味では、ひたすらハ長調を弾き続けることだったり、あまり考えずに体をただ動かすことが、そんなにも効果的なものなのか。ちょっと疑問です。筋トレだって競技によってその効果を考えながら選ぶものですし。

とはいえ、スケールやアルペジオの音型は、ある程度『形や型』として体が動いてくれるととても助かります。
同時に調性を理解する助けとして、また腕や身体のバランスを整える意味でも、これらはコツコツと弾いておきたいものです。

世の中にはスケールとアルペジオの本というのも出ているので、それらを使っても良いのですが、店頭でじっくりと内容を吟味する時間(気力)もなく、結局ハノンの中から使っていました。

でも減七のアルペジオとか、精神を蝕まれそうな不安定さで。
なにも減七だけでひたすらアルペジオさせなくたっていいじゃないの.....

というわけで、スケールとアルペジオのプリントを作ってしまおう。作譜ソフトを使う練習も兼ねて。

まずは簡単なアルペジオ練習を作ってみました。まだ試作段階ですが、生徒さんに弾かせてみたら、そんなに難しくなさそう。
皆さんの分印刷するのも面倒だし、ホームページに置いておこう。
http://ozawamizuki.web.fc2.com/score.html
arpc010101.jpg

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  1. 2017/11/13(月) 22:24:10|
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ピアノ椅子修復完了

レッスンで使用していると痛みが早いのか、想定外に突然椅子が壊れたりします。
8年の間で、手にした椅子は実に5脚目。

最初は昔から使っていたもの。ある時『バキッ』という音と共に横板に亀裂。
幸い友人が『うちに余ってるのがあるからあげる!』と言ってすぐさま送ってくれました。

その後、もう少し座面の厚みが欲しいと注文した安価な椅子は、高さ調整のハンドルを子供達が座ったまま回してしまい、購入から3ヶ月でネジ山がずれて高くすると斜めに...

不安定なものでは弾きにくいので、『コンサートスツール』と銘打っていたものをすぐさま注文したら、大きさや頑丈さは良いものの、座面がかなり柔らかい。柔らかすぎて腰がおかしくなりそう。

短期間に2脚も購入して、どちらもイマイチだったので、何なら良いのか迷ってしまい、結局ネジ山がずれた椅子と、座面が柔らかすぎる椅子でしばらく頑張っていました。
が!大変ありがたいご縁で、なんとアンデクジンガーの椅子が我が家に!!!

それからはもっぱらこの高級スツールでレッスンをしておりましたが、2台ピアノの時は今までの難アリ椅子を使うため、座り心地も悪いし見た目も悪いし。

というわけで、座面張替を頼んでみました。
高さ調整は正常だけど座面が柔らかすぎるコンサートスツールタイプの張替。
before。


座面が柔らかいため、半年で破れが発生。

after。


張替ついでに色を変えて、クッションをかたーくしてもらいました。
ははは、派手。シマシマ。

椅子の座り心地は大変重要ですね。皆様お好きな方の椅子でどうぞ。



※新規にお問い合わせをいただいている皆様、新年度のスケジュール調整にもうしばらくお時間を頂戴いたします。お待たせして申し訳ありません。

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  1. 2017/05/20(土) 17:19:21|
  2. 日々のレッスンから
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