尾澤瑞樹ピアノ教室

東京都町田市玉川学園のピアノ教室です。ホームページはhttp://ozawamizuki.web.fc2.com/

ピアノの「練習」とピアノを「弾く」

ピアノの上達には「練習をする」という行為が必ずついてきます。P1010179.jpg

そして、半分くらいの人はこの練習をすることが嫌なのです。
私も練習嫌いで、子供のころから現在に至るまで、とにかく練習が嫌いです。

でも練習しないと弾けません。本番があるとなればなおのこと。
せっかくいらしてくださった皆様に醜態を晒すわけにはいきませんので、
仕事の合間を縫って弾きます。

では、私がいわゆる「練習」をするとき、結局のところ何をしているのか。
行為としては、『ピアノを弾く』ということと『誰かの演奏を聴く』という2つのことです。

数年前、私の最も信頼しているピアニストの方から言われました。
「瑞樹くんの中で、ピアノを『好きなこと』にしてしまえばいいのに・・・」

もちろん好きなことです。嫌いなことではないし、仕事だと思っているわけではないのだけれど、
私のことをよく理解してくださっている方からそう言われて、いくつか思い当たることがありました。

ときどき「練習する」という考えが「ピアノを弾く」という単純なことから分離してしまっているときがあります。
ピアノを弾くだけで、必ずしもそれが練習になるわけでもないかもしれませんが、
だからと言って、ピアノを弾くときに何も考えていない(感性を働かせていない)わけでもありません。

楽曲に向き合って、探って、試して、心地よくなってみたり不快になってみたり。
そんなことをしているその時間が楽しいし、ある種の満足感も得られます。

練習=ピアノを弾く=好きなこと
今はそうやって「練習」しています。

さて、これが子供だったらどうでしょうか。

先生に言われたことを注意深く反復することが練習?
譜読みを進めることが練習?

どれもするべき内容ではありますが、やはり「ピアノを弾く」ことですよね。
ピアノを弾くときに、いかに気付くことが多くあるか、これが一番の上達法です。
和声感を働かせてみたり、旋律に対して複数の感覚を試してみたり、
楽譜に書かれていることに気付いてみたり、ある音色が奏でられた時に触発されてみたり。

レッスンでは、そのお子さんが感性を働かせるための材料を提供して、
それを本人が組み立ててみた結果が、より伝わりやすい形になるように整えてみたり、
新しい観点を刺激してみたり。
もちろん、技術的な改善点やその練習方法も提示して。
子どものうちは自分で気付くこともわずかですが、
レッスンを少しずつ積み重ねていく中で、一曲一曲が肥やしになり、次の曲へつながってほしいと思っています。

でも、こういうことを子供のレッスンで行うのは結構難しい。
だって目標がはっきりしないことですし、基準があいまいなことですから。
どうしても教則本が進むことだとか、コンクールなどの試験に合格することの方がわかりやすい。
そして、教える側が常に音楽を正しく理解していなければ、とんでもない方向に行ってしまうかもしれません。

その曖昧さに耐えてもらうために、今のところ私ができるのは
「一人一人と向き合って、個性を受け入れて、一緒に歩む」
こんなことしかできませんが、そうやって楽しくピアノを弾き続けてほしいと願っています。

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  1. 2017/07/04(火) 10:38:11|
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